FXのトレードをしていく時に、ポジションを持つというのは、利益を上げられる可能性もありますが、逆に損をする可能性もあるということです。
トレードの勝率が100%になればいいのですが、現実的に考えて不可能です。銀行のプロのディーラーでも勝率は6割前後と言われています。
為替相場というのは上がるか下がるかしかありませんので、何も考えずに取引していたら勝率は5割になりますが、プロのトレーダーですらそれをやや上回ることができる程度なのです。
中には勝率が9割を超えている投資家も数多く存在していますが、勝率が6割前後の投資家と、勝率が9割の投資家では、最終的には勝率6割前後の投資家の方が利益を上げられる確率が高いと思います。
と言うのは、勝率が9割を超えているトレードでは、しっかりとしたマネーマネージメントができていないことが大半であると考えられるからです。
100回トレードを行って99回勝ったとしても、たったの1回でそれまで積み上げてきた利益を全て失ってしまっては何の意味もありません。
為替相場が予想していた通りに動かず、逆に動いてしまい評価損がどんどん膨らんでいったとしても、相場が反転すれば利益を上げることができ、勝率が9割を超えることはそんなに難しいことではありません。
しかし、資金的に見て、耐え切れないところまで相場が逆方向に動いてしまえば、それまでの利益がすべてなくなってしまい、最悪の場合には大きなマイナスになることも十分にあり得ます。
逆に、勝率が5割であったとしても、勝ったときの1回あたりの平均利益額が、1回あたりの平均損失額より大きければ、最終的に利益を上げることができます。
為替相場では確実に100%勝てるということはありえない上に、想定外のことが起これば大きな損失につながることもあります。
そういった状況の中で、最終的に利益を上げていくためには、1回毎の取引で、事前に利食い目標と損切り目標を明確にしておくことです。
評価損が出ているトレードで損失を確定させるということは非常に苦痛を伴うものです。
しかし、状況判断に誤りがあったからこそ、評価損が出ているという事なので、そういった状況でポジションを持ち続けておくのはリスクが大きいといえます。
また、株式投資であれば、投資金額の範囲内で取引を行っておけば、損が出てもそのまま放置しておけば、あまり多くの損失はでないのですが、FXの場合には、投資している資金にレバレッジをかけて取引を行っているので、短時間で資金が半分になってしまうということも考えられます。
そうならないためにも、取引を行う前に、利食いと損切りの水準を設定しておくことによって、致命的な損失につながるような負けトレードをせずに、トータルで利益を上げていくという考え方をしていく必要があります。
そうすることによって、トレード全体でのリスクを少なくして、最終的に利益を上げる確率を高めていきます。
損切りした後に相場が反転して、もう少しポジションを持続しておけばよかったと思う事はあるでしょう。
しかし、このような事は、どれだけ戦略を練ってとしても避けることができません。
長期的に見れば損切りの水準を明確にしておいた方が、最終的には利益を上げられるようになります。
損切りした後に相場が反転した場合には、そのトレードをじっくり検証して、今後のトレードに生かしていくこともできますが、ストップロスしなかった場合には、1度に多くの資金を失ってしまい、短期間で為替市場から退場せざるをえない状況になる可能性があります。
為替相場の動きを検証することによって、勝率を5割から6割に高めていこうとする事は必要なことではありますが、5割から6割程度の負けトレードがあるということは事前に意識しておくきでしょう。