トレードをする前に自分の置かれている状況を把握したら、次は実際にポジションを取っていきます。
この時に重要なのは、トレードの戦略をしっかりと把握しておくということです。
ただ単に相場が上がりそうだから買おうと思ったり、相場が下がりそうだから売ろうと思うのではなく、その相場の動きを予想する元となった理由となる材料が何であったのか、あるいは材料によって相場がこれからどのように動いていくのかということをはっきりと認識する必要があります。
そして、その材料から判断して、トレードの利益目標と損切りのポイント、トレードの期間を考えます。
また、トレードをしている間に、要人発言や経済指標の発表などのような、相場を大きく変動させる可能性がある新たな材料が出てきそうかということや、そのような材料が出た場合に、どのように対応するべきかということもあらかじめ戦略を立てておく必要があります。
ポジションを取っている間には、これから他にも大きく相場を動かす材料が出てくることがあるのかということや、ポジションのストップやリミットをそのまま継続していくのかということを確認します。
そしてトレードが終わってから、事前に計画していた戦略と比べて、トレードが成功しても、失敗してもその原因を把握して、今後の為に戦略を見直していきます。
このように戦略を立てる理由というのは、失敗を修正することによって今後の勝率を上げるためのポイントを見つけることができるということにあります。
つまり、勝率を少しずつ上げていこうとするには、利益を上げることのできたトレードはなぜ成功できたのかという事や、損失を出したトレードはなぜ失敗してしまったのかという原因を明確にさせることによって、今後のトレードの成績を向上させることに役立たせことが重要になってきます。
また、利益を上げることのできたトレードや損失を出したトレードの中には、もっと長くポジションを持続していればより大きく利益を伸ばすことができたトレードや、もっと早い段階でロスカットしていれば損失が、少なくて済んだトレードなど、様々なトレードがあると思います。
ただ単に、稼げたとか損をしたということではなく、そのトレードがなぜ成功したのかということや失敗したのかということを分析することによって、今後のトレードの成績を向上させることに立たせることができます。
さらに、ストップとリミットのポイントを明確にすることができます。
なんとなく相場が上がりそうだとか、下がりそうだというだけでポジションを取ってしまうと、相場が事前に予想していた通りに動かなかった時に、どのあたりまで損失に耐えていけばいいのかを判断できにくくなってしまいます。
早めにロスカットした方がいいときや、含み損に耐えることによって最終的に利益を上げることができるなど、いろいろな状況がありますが、トレードをする前にポジションを持つポイントを明確にしておくことで、長めに含み損に耐えてしまうことによって想定外の損失を被るリスクを避けることができます。
中には、損失を確定せずに、相場が戻ってくることによって損をしなかったはずだというトレードも出てきますが、トレードをする前にポジションを持つポイントを明確にしておくことで、そのポイントを決めた理由に間違いはなかったのかということを検証することができ、次のトレードに生かすことができます。
利益を確定する場合についても、ポジションを取った後に、含み益が出ていても、相場が急に反転して損失を出してしまうのではという恐怖心を持ってしまい、慌てて利益を確定しがちになりますが、そのようなトレードをしていては大きく利益を上げる機会を逃してしまうかもしれません。
そして、利益確定を早くして損切りを遅くしてしまうと、利益確定ポイントと損切りのポイントとのバランスが悪くなってしまいます。
次にポジションを積極的に持てるようになるという効果があります。利益を上げるためにポジションをとるわけですが、それと同時に、ポジションを取るという事は、損失を出すというリスクも同時に取るということになります。
トレードは順調に出来ている時はいいのですが、負けトレードが続いてくると、損失が出る事を恐れてポジションを持つことに躊躇してしまい、もしポジションを取っていれば利益を上げることができていた相場で、利益を上げそこなうということがあります。
最悪の場合は、ポジションを取るタイミングが少し遅れてしまって、損失を出してしまうということもありえます。
トレードをする前に、ある程度の期間の戦略を考えることによって、負けトレードが連続して続いたとしても、長期的に見れば、利益を上げられる可能性が高いタイミングで、ポジションを取ることに躊躇することを避けることができるようになります。