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外国為替市場が最も反応しやすい経済指標を把握する

 為替市場では、米ドルの流通量が他の通貨と比べて圧倒的に多いので、外国為替市場の関係者は、米ドルに直接影響を及ぼしているアメリカの経済指標を常に注目しています。

ただし、アメリカの経済指標は非常に多くのものが存在しています。

あまり経済指標に慣れていない人は、すべての指標に注意するのではなく、初めは基本的で重要な市場だけに注目して、その指標は為替にどのような影響を与えるかということや、市場関係者の予想などについて勉強していくことが重要です。

まず、 FXの投資家が初めに勉強をしておくきアメリカの経済指標は、金利の状況について確認するためのFOMC、景気の状況を確認するための非農業部門雇用者数、貿易の状況を確認するための貿易収支、物価の状況を確認するための生産者物価指数があります。


 FOMCとは、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会が開催している会合のことで、フェデラル・ファンド・レートと言われる政策金利を決定します。

通常では、FOMCは、6週間ごとの火曜日に開催されていて、1年間に8回開催されていることになります。

FOMCでは、アメリカの各地区の連邦銀行の、ベージュブックといわれる景況報告やFRB調査統計局が提出しているグリーンブックと言われる経済報告を基にして、金利の方針などについて議論されています。

議論された内容については、FOMCのおおよそ3週間後に公表されることになっています。

FOMCのメンバーは、 FRBの理事が7名、 NY連銀総裁1名、地区連銀総裁4名の合計12名で構成されていて、議長はFRB議長が担当し、副議長はニューヨーク連銀総裁が担当しています。

そしてFOMCが終了すると、政策金利であるFFレートの水準が発表されることになっています。

為替市場の予想に反して、FFレートは変更された場合や、変更は予想されていたとしても、変更幅が予想している以上に大きかった場合には、サプライズなどと言われ、FFレートの発表後に為替レートは大きく変動する場合があります。

一方で、FFレートの水準や変更幅が、為替市場が予想していた範囲内であった場合には、為替レートはあまり大きな変動をしないことがあります。

また、FFレートの水準や変更幅だけではなく、FOMCの後に発表される議事録によって為替レートが変動する場合もあります。

その議事録には、決定された内容だけではなく、今後の金融政策の方向性についての議論がされている内容についても記載されているので、今後の金利の動きを予想するときに重要な情報になることも多いからです。

このように、為替市場ではFOMCだけではなくFOMCの議事録についても注意する必要があります。


 非農業部門雇用者数は、農業以外の産業で働いている労働者の数は、どのくらい増えたり減ったりしたかということを表している指標です。

通常では、NFPの値が大きくなるとアメリカの景気が良くなっていると判断されます。つまり、働く労働者の数が増えるとアメリカの景気が良くなっていると判断されるので、米ドルが買われやすくなります。

逆に、 NFPの値が小さい場合や、値がマイナスになった場合には、米ドルは売られやすくなります。

NFPは、為替市場だけではなく、株式市場や債券市場でも注目されている指標で、その結果次第では為替レートが大きく動くことがあるので注意する必要があります。

発表される時間は、日本時間の毎月第一金曜日の午後9時30分で、冬時間では午後10時30分です。
NFPで注意すべきこととしては、NFPの値は月ごとの変動が大きいという事と、すでに発表している前の月の値が変更されることが多いということです。

NFPの変動が大きいので、前月の値を参考にして作られた市場関係者の予想は、結果と大きく違っていることもよくあります。

また、前月の値が大きく変更されれば、その影響によって対象となっている月のNFPも大きく変化することがあります。

このため、 NFPの結果を見るときには、単月のデータを見るだけでなく、前月と比べてどのように変動したのかということや、過去6ヶ月ほどの傾向などについても参考にする必要があります。


 貿易収支とは、輸出された金額と輸入された金額との差額を意味しています。

アメリカの場合では、常に輸入額が輸出額を上回っているので、貿易収支は赤字ということになります。

このため、アメリカの貿易収支は赤字であるということを前提として考える場合が多いので、市場の関係者は貿易赤字の大きさに注目しています。

アメリカの貿易赤字が大きくなれば、アメリカは、今までより多くのお金を世界の諸外国に支払う必要があります。

諸外国では、米ドルではなく各国の通貨が使用されているので、アメリカは、今までより多くの米ドルを外貨に換える必要に迫られることになると考えられます。

このため、アメリカの貿易赤字が大きくなれば、米ドルは売られやすくなり、逆に貿易赤字が小さくなれば、米ドルは買われやすくなります。

アメリカの貿易収支は、通常では、毎月10日から15日前後の日本時間午後9時30分、冬時間では午後10時30分に発表されています。


 アメリカの生産者物価は、アメリカ国内の製造業者の販売価格を操作したもので、 1982年の平均物価を100とした指数で示されています。

通常では、為替市場では、生産者物価指数の水準に注目するのではなく、前月からの変化を示している前月比に注目します。

また、為替市場では、全調査対象の物価動向を示している総合指数だけではなく、変動が大きい食料品やエネルギーを除いた品目の物価動向を示しているコア指数にも注目が集まります。

生産者物価指数が発表されるのは、対象月の翌月第2週で、日本時間の午後9時30分、冬時間では午後10時30分です。

生産者物価指数で注意しておかなければいけないところは、コア指数や総合指数だけではなく、中間財や原材料の変化によっても為替レートは変動することです。

それは、物価が原材料から中間財、中間財から最終財の順で変動するので、原材料や中間財の変化が為替市場の予想と大きく異なっている場合には、いつかは最終財も市場の予想と全く違う動きをするだろうと予想されて、いち早く為替取引にその動きを反映させようとすると傾向があるためです。

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