マネーマネージメントという観点からトレードを見る場合には、絶対にやってはいけないトレードというものが2つあります。そのトレードというのは塩漬けとナンピンです。
塩漬けとは、トレードをしているときに予想とは反対方向に動いてしまって評価損が出ている状態で、その損失を確定させずに利益が出る状態になるまで放置しておくというトレード手法のことです。
株式市場で現物のトレードをしているのであれば、大きな損失は出にくいので、絶対に塩漬けをしてはいけないとは言い切れません。
しかし、外国為替証拠金取引では、投資している資金にレバレッジを利かせることによって、何十倍もの大きい金額でトレードすることができるようになります。
そのため、塩漬けにして放置していたら、短時間で大きな損失が出ることもあるので、そうなった時点で、強制的にポジションを決済されてしまうことになります。
強制ロスカットをされないようにするためには、追加でどんどん自分の口座に入金していくということになるんですが、取引金額が大きくなりすぎると、資金力に限界が来てしまうこともあります。
また、追加で口座にお金を入金していくということは、事前に想定していた以上に損失が出ているということなので、それは言い換えると相場の動きに対する読みが完全に外れているという事を意味しているわけなんです。
そのような状態で、どんどんお金をつぎこんでいくというのはリスクが大きいと考えるべきです。
もし結果的にポジションを取ったところまで値が戻ったとしても、その時点でやっとプラスマイナスゼロに戻っただけですし、そこまでにかかるお金と時間を別のトレードに使った方が、より効果的なトレードをすることができるようになるでしょう。
ナンピンというのは、例えば、 1ドル100円の時に1,000ドル買って、それが分1ドル98円にまで下がってしまったときに、さらに1,000ドルを買うことによって、 トータルのポジションを2,000ドルにして、平均コストを99円にまで下げるということです。
100円まで値を戻すのは難しいとしても、99円なら戻ると考えて、最初に投資した分の損失を取り戻そうとするわけです。
合理的なトレード手法に見えるかもしれませんが、ナンピンの1番大きな問題になるのは相場がさらに逆方向に動き続けた場合です。
ポジションは10倍になっているので、そこからは損失も2倍になります。それはリターンの期待を大きくしている反面、リスクも大きくしていることになってしまうに過ぎません。
ナンピンをしている時点で、完全に相場を見誤っているにもかかわらず、さらにポジションを大きくしているわけですから、よりリスクが高くなっていると言えます。