マネーマネジメントのやり方を覚えたら、これまでの為替相場に関する知識や分析の方法などを生かして、取引を行っていく上での手順について考えていきましょう。
最初に重要なことは、ポジションを持つ前に、どういった方針で取引を行っていくのかということをしっかりと確認しておくことです。
自分のトレードスタイルを確認するためには、どのくらいの取引時間で取引するのか、あるいは自分の得意とするトレードの分析手法が何か、リスクをどのぐらい取ることができるのかなどについてしっかりと把握しておく必要があります。
FXのトレードに対するスタンスというのは、人それぞれ異なっているので、どのくらいのトレードの期間が最適なのかということや、相場分析に最も有効な手法は何かということについては特に決まったものはありません。
とにかく自分がトレードしやすい方法を選んで、リスク管理をしっかり行った上で利益を上げていくことが重要です。
自分自身のトレードスタイルをしっかりと持っていなければ、自分に向いていない分析の手法を選択してしまっていることになるかもしれません。そのようなトレードしていると決して上手く行くことはありません。
自分自身のトレードスタイルを把握するためには、まず初めに自分に最も適していると思うトレードの期間を決めておく必要があります。
トレードの期間というものは、主に短期、中期、長期の分3つに分けられています。
自分自身のライフスタイル、投資資金や情報力などを考えた上で、どの期間でFXを行うのが最も向いているのかを考えてみましょう。
短期間のトレードというのは、 1日に何度もトレードを繰り返すことによって、小さな値動きによるキャピタルゲインを積極的に取りに行くトレードです。
要人発言や経済指標の発表によって市場がどのように反応するかを瞬時に読み取ることによって、チャートなどを見て相場の短期間のトレンドや、そのトレンドに対する一時的な歪みなどを掴んでトレードを行います。
銀行のプロのディーラーと呼ばれる人たちの大半は、短期トレードを中心に行っています。
目標とする利幅を小さめにとって、その分数多くトレードをこなしていく手法で、値幅が小さいだけに、大きめなポジションを取ってトレードしていないと、大きな利益を上げることができないので、投資資金にレバレッジを大きくかけてトレードすることが多くなります。
そのため、予想が外れた時にしっかりと損切りを行わなければ、大きな損失になる可能性が高いので、非常にリスクの大きいトレード手法といえます。
1日の間に、取引回数を多くこなさなければいけないので、それなりの時間をトレードに費やすことができる投資家に向いています。
中期のトレードというのは、数日から数週間ほどの期間でトレードを行う事を言います。
要人発言や経済指標、ニュースなどで相場のトレンドが発生するのを生かしてトレードする手法といえます。
経済指標などの材料に反応して値動きが起こる場合は、大体このくらいの期間で動くことが多いので、チャートを見ることによってトレンドをつかみやすいという傾向にあります。
短期トレードに比べればレバレッジが低くなる傾向にありますが、レバレッジが低すぎても、トレードの資金効率が良くないので、リターンとリスクのバランスをうまくとってトレードをする必要があります。
そして、しっかりと情報収集を行って、為替相場を動かす材料がどんなものであるかをしっかりと見極めることが重要になります。
また、短期トレードよりもやや長い期間トレードをすることになるので、小さい値幅でロスカットされないように、決済するときの値幅にある程度の余裕を持ったトレードをしていく必要があります。
短期トレードのように、常時パソコンを見て監視しておく必要はないので、会社員やOLのような一般の投資家向きのトレードと言うことができます。
長期トレードとは、数ヶ月から数年の期間でトレードを行うことをいいます。
このトレードの場合には、値動きに加えてスワップポイントをについても意識することが重要です。
レバレッジを低めに抑えて、外貨預金のようにインカムゲインを狙ったトレードになります。
かなり長期間のトレードを続けることが前提になっているので、あまりレバレッジを高くしてしまうと、途中で評価損が多くなりすぎて、トレードを継続できなくなってしまうということになりかねないので、注意が必要です。
FXは、一般的には銀行の外貨預金に比べて手数料が安く、金利が高いことが多いので、レバレッジが1倍であってもある程度利益を上げることのできる投資と言うことができます。
ただし、高金利通貨は、長期的に見れば安くなりやすい傾向があるということや、通貨の値動きによる損失のリスクが、スワップポイントによる利益を上回る可能性があるということや、スワップポイントそのものが一定と言うわけではなく、期待していたほどの利益を上げることができないということなどを意識しておく必要があります。
そして、スワップポイントを重視しているとしても、値動きについてはしっかりと監視して、適切な場面でポジションをとる必要があります。
トレードをする期間で1番大事なのは、最初にポジションを取る時に決めた期間を途中で変えないようにするということです。
短期トレードをするつもりでポジションを建てたにもかかわらず、予想とは反対の方向に動いてしまい評価損が出てしまったので長く持つことに変えてしまうというようなことは絶対にやってはいけません。
トレードをする期間の違いによってリスクの取り方は違ってくるわけですが、評価損が出たとによってトレードをする期間を伸ばしてしまうようでは、利益が出るときは少ない利益になり、評価損が出たときは長期投資になって、最終的にその含み損に耐えられず、大きな損失を出してしまうことで、それまでの利益を全て無くしてしまうというトレードにもなりかねません。
因みに、全てのトレードを1つの期間に集中して行う必要はありません。
資金の半分を短期投資にして、残りの半分を長期投資にするというような組み合わせでトレードをしてみるのもいいでしょう。
ただし、ポジションを取るときに、しっかりとそのポジションの取引期間を決めて、実際にその通りに行動するという意識をしっかりと持っておく必要があります。